最初の対応

思い出しながら書いてみる。

 

入院して検査の次にまずやったことは、輸血。役立たずの白血球もどきで血液が満たされていて、酸素を運んだり出血を止めたりできないから。ダルさや、あざ、鼻血の原因は、血液が本来のお仕事をできていないからだった。

親に許可をもらったあと、大量に輸血された。

 

治療にはリスクレベルがあって、悪玉白血球(芽球)が血液1マイクロリットル(0.001ml)あたり1万個以下。年齢が10歳未満。特に特徴的な染色体異常が、芽球に見られない場合は、とても治療成果が期待できる。通常リスク。しかし、ぼくは10歳以上だったので、ハイリスク。

 

一週間くらいして、染色体検査の結果がわかった。低二倍体。芽球の染色体の数が正常なものに比べて少ない。この場合、治療ののちの成績が良くないことが、限られた統計ではあるものの、知られている。8年後までだったか?(資料を確認するべき)再発などの事件に遭わない割合が3、4割。逆に言えば、6割以上で何らかの問題が発生するわけだ。現在では、造血幹細胞移植が推奨されている。

 

つまり、化学療法や放射線療法では、治療後にほぼ悪性細胞がゼロになるものの、どこかに生き延びていて、それがやがて時間をかけて増殖してくるということか。もともと一兆個オーダーである細胞数がゼロになって欲しいのだから難しいことだ。幹細胞移植で、まったく血液を入れ替え、新しい免疫系統が悪性細胞を異物として退治してくれることも期待する。

 

幹細胞移植、ぼくには、とても重い負担になるのだが、その時のぼくは、もちろん何もしらない。

 

体調を整えた後、まずは1ヶ月の寛解療法が始まる。芽球の割合が5%以下の寛解状態を目指す。顕微鏡の下で観察して白血球20個中1個以下になる状態だ。良い白血球(好中球)が1μl (0.001ml) あたり500個以上ある状態を保ちながら、悪性細胞は減少してもらう。このバランスを保つように注意しながら、お薬を飲む。。。。