ともだち?

「おれ、お前の病気知ってるぜ、白血病だったんだろ」「あたま、はげたぁ?」

ある日、サッカーの練習に行くと、友達から言われた。とっさに「え、なんのこと?なに病だって?」と答えるのが精一杯だった。その日は、お母さんにも黙っていて、寝た。

けれども、翌日、どうしても耐えられなくなって、お母さんに打ち明けて、そして泣いた。

きっとあいつがばらしたんだ、と思い当たる奴がいる。そして、もっと腹が立つのが最初に書いたセリフだ。それを聞いた奴の、薄っぺらい興味丸出しの、恥ずかしさの欠片もないセリフ。

お母さんは言った「そんなチームじゃ、サッカーの試合もきっと勝てないね。あともう少しでシーズンも終わるけれど、残念だね。」

彼らは学校の友達でもあるので、お母さんは担任の先生に連絡したらしい。ただし、仮に先生が何か対応するとしても、決して病名には触れないこと、という条件付きで。

お父さんは「胸が痛いね。」と一言だけ言ってくれた。

僕には家族がいるから、大丈夫だ。