春に向けてだんだん元気になる

移植室をでてから、個室で過ごした。

去年の冬は大雪が降ったけれど、僕は病室にいたので全然わからない。お父さんとお母さんは、車で付き添いに来てくれたけれど、道路では、動けなくなった車がたくさんあったそうだ。冬用タイヤをつけていた家の車もゴトゴトと大変な道路をゆっくり病院まで走ったそうだ。夜、一人のときに、雪がどさっと落ちる音が怖かった。

 

雪で思い出したけれど、クリスマスには、病院でキーボードを演奏した。初めての鍵盤楽器でどうなることかなと心配したけれど、なんとかできた。それから、病室にサンタクロースも来た。サンタさんに気づいてもらえない友達がいたから、サンタさんを友達のところまで連れて行ってあげた。そう、移植前には僕はかなり元気になっていて、病棟を走り回っていた。

 

移植室を出た時には、体力が全然なかった。病室ではレゴブロックを組み立てたりジグソーパズルを組み立てたりしたけれど、どれもあっという間に終わっちゃうんだ。でも、大丈夫。後は良くなるだけだから。100日くらいしたら、家に一旦帰れるんだっけ?もう、大分わすれている。とにかく、家に帰ることが待ち遠しかった。丁度、一年前の今頃だよ。