朝日新聞の記事

朝日新聞の生活の欄では、毎週、患者を生きる、と題して主にガン患者の体験記を記している。以前ならあまり気に留めなかった記事だが、息子が罹患して以来必ず見る欄となった。

悪性腫瘍は、DNAの突然変異によってある確率で生じる。生活環境によって突然変異の誘発率や修復機能、免疫機能に違いがあるので、確かに摂生は大切だ。しかし、悪性腫瘍は長く生きているうちに罹患してしまうものである。

闘病生活を経験したり病気を克服した人は、社会の見え方が以前とは異なってくると思う。普通の生活に感謝する気持ちが生まれる。

けれども、病気を経験した人のほうが偉いのか、というと勿論そうではない。健康一杯の人の脳天気を馬鹿にしたり、どうせわかってもらえない、という気持ちを持ったりしてしまうのは、独り善がりだ。人によっては、折角拾った命を自分のためにワガママに生きよう、という決心をする人だっているだろう。困難を切り抜けたからって、皆が聖人になるわけではない。人それぞれ。当たり前だ。

今を元気に過ごしている子供を見ながら、闘病生活を応援した経験、助けてもらった経験から、人生はキレイ事だけではないものの、でも、自分は(あるいは息子は)闘病の経験を活かして、これからの充実した時間を愉しみたい(愉しんでほしい)と思う。

 

雑感でした。